樹木を育てる上で、そこに病気や害虫が発生するのは避けられないことです。かといって、大切な樹木を薬剤漬けにするのも逆効果です。病気や害虫のを防ぐには、まず日頃の予防が大切です。

・樹を健康に
 人間と同じで、樹木も健康に育っていれば、ある程度の病原菌や害虫の被害には負けません。その樹木にあった立地や施肥、水やりを心がけることが必要です。
・早めのチェックを
 また、病気や害虫は早期発見・早期治療が肝要です。被害が広がってからの対策は困難なので、日頃から樹木を注意深く観察する必要があります。また、病気や害虫の発生時期はある程度決まっているので、薬剤も予防撒布として用いれば、効果も高く、量や回数も少なく済みます。

 ここでは、いくつかの代表的な病気・害虫への対策をご紹介します。なお、樹木のプロへのご相談が確実です。

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■うどんこ病

葉や枝などが、白い粉をふりかけられたようになります。発生時期は5月下旬〜7月、9〜10月下旬頃です。比較的多くの植物に発生します。
被害を受けやすい樹木:マサキ、ウメ、サクラ、サルスベリ、ナンテンなど
■対策
薬剤による治療が効果的です。病気発生期間中、1週間おきに2〜4回ほど、チオファネートメチル剤、ベノミル剤、ジネブ剤などを撒布します。冬には高濃度の石灰硫黄合剤を用います。

■すす病

葉や枝などが、すすをかぶったように黒くなります。アブラムシやカイガラムシの排泄物に菌が繁殖するのが原因です。発生時期は一年中ですが、虫の増える4〜10月に多く見られます。
被害を受けやすい樹木:モチノキ、ウメ、ケヤキ、サザンカ、サルスベリ、ツバキなど
■対策
ジネブ剤やチオファネートメチル剤を撒布します。しかし、原因は害虫ですので、その駆除が第一です。

■赤星病

葉の表面に橙色の斑点ができ、その部分の裏側に星状の突起ができ、やがて枯れ落ちてしまいます。
被害を受けやすい樹木:シャリンバイ、ナシ、カイドウ、リンゴ、ボケなど
■対策
原因となる菌は時期により寄生する植物を変えます。春に寄生する植物(ボケなど)と、冬に寄生する植物(カイヅカイブキやビャクシンなど)を離して植えると予防になります。また、病気にかかりやすい4月頃にジネブ剤やマンゼブ剤を1週間おきに2、3回撒布します。

■アブラムシ類
  
きわめて多くの種類があり、よく見られる害虫です。新芽や新葉から汁を吸い、植物を委縮(写真右:委縮したサクラの葉)させたり、衰弱させます。また、排泄物がすす病の原因になります。
被害を受けやすい樹木:庭木、花木全般
■対策
一般的に薬剤に弱く、その撒布が効果的です。春から初夏、または秋に多く発生するので、その発生初期に1週間おきに2〜3回ほど殺虫剤を散布します。

■カイガラムシ類
  
アブラムシと同じく、
きわめて多くの種類(写真左:イセリナカイガラムシ、右:ツノロウムシ)があり、よく見られる害虫です。葉や枝、幹から汁を吸い、植物を衰弱させます。また、排泄物がすす病の原因になります。
被害を受けやすい樹木:庭木、花木全般
■対策
その名のとおり、貝殻のような殼に覆われているので、薬剤が効きにくく、姿を多く見つけられるようになってからの駆除は困難です。予防として冬にマシン油乳剤や石灰硫黄合剤を撒布するのが効果的。また、5〜8月の幼虫発生初期ならば、MEP剤、アセフェート剤が有効です。

■ハダニ

葉の裏などに寄生し、汁を吸います。そのため、葉の色があせて白っぽくなることがあります。
被害を受けやすい樹木:庭木、花木全般
■対策
高温で乾燥した夏に多く発生します。雨に弱く、流されやすいので、発生時期には葉裏に強く水をかけるだけでも効果があります。また、発生し始める4〜5月頃から、10日おきくらいにケルセン剤、キノキサリン系剤などを撒布します。

■チャドクガ
  
幼虫が葉に群生し、葉を食い荒らします。成虫は黄色い蛾です。成虫・幼虫とも毒があり、針毛に触れるとかゆくなり、発疹ができます。(写真右:チャドクガの卵)
被害を受けやすい樹木:サザンカ、ツバキ、チャノキなど
■対策
5〜6月と、8月の2つの時期に発生します。できるだけ小さな幼虫の間に駆除するのが理想です。また、成虫になっても薬には弱く、1週間おきに1、2回MEP剤、アセフェート剤、除虫菊乳剤などの撒布が効果的です。

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